第19章 この気持ちの答え
「で、ずいぶん先になるけど、私達今年も三人で夏祭り行く予定だったでしょ?」
「うん」
由梨花の言葉に私は頷く。去年は楽しかった。
「それで思い付いたんだけど、今年は私達とあと祐希たち3人入れて、6人で行かない?」
「いいね、それ。あとは気をきかせて由梨花と祐希君を二人きりにしたり、日代君と心春を二人きりにするってわけだね?」
藍那がウキウキとした顔でそんなことをしれっと言ってくる。
「ちょ、ちょっと待って。二人きりにしたら藍那と神崎君完全にあぶれた状態じゃん」
「え?問題ない問題ない。だって私ら付き合ってるもん。」
「「!?」」
そんな話聞いていないぞ。由梨花も同じだったようで、驚いた顔をしている。
「ごめんね。これで私や由梨花があの3人のうちの誰かと付き合った状態だと、あぶれたもの同士はやっぱりいづらいでしょ。だからせめて心春が誰かを好きになったら言おうと思ってて。」
たしかに。6人で遊びに言って、そのうちに2カップルいるなんて居心地が悪い
「で、いつから?」
由梨花が恐る恐る尋ねる。藍那は恋人をつくることへのガッツは凄まじい。出会ってから一週間!なんてこともあるかもしれない
「え?会ったその日だよ?」
まさかの私の予想よりだいぶん早かった。
あのカラオケ行った日にすぐに付き合うなんて…。二人に何が起こったのか全く想像がつかない。
たしかに神崎君は藍那のタイプに完全に当てはまってはいたが。
やはり恋というのは、当たり前、とか、常識というものはないのかもしれない。
「まぁ、これだったら問題ないでしょ?」
由梨花が私にニッコリしてきたが、ある大きな問題を思い出した。
「夏祭りって夜の6時からだよね。」
「うん」
「それだったらもしかしたら、日代君行けないかも…」
「「あ。」」
彼はシンデレラなのだから。
夜遅くには家に帰るのだ。