第17章 俺に教えて
「あと2週間でテストかぁ…。実感わかないからイマイチやる気でないなぁ。」
「そんなこと言ってるからいつも最後になって慌てるんでしょ」
藍那の呟きに思わずそう返す。言っていることはわかるのだが、藍那の理解力だったら、2週間前から始めれば間違いなくいい点数がとれるはずだ
いつも三日前にまだ課題が終わっていないだの、わからない問題があると騒ぎだすので、ほぼ一夜漬けなのだ
「うーん、手厳しい言葉、身に染みます」
由梨花はスマホを見ているので、祐希君からメッセージが届いてないのか確認中なのだろう
「祐希のところは一週間前なんだって。」
由梨花が私たちのやり取りを聞いていたのか、そう報告してくれた
一週間前かぁ、日代君とのLINEのやり取り、減らした方がいいかなぁ。勉強の妨げになっちゃダメだもんね
と、そのときスカートのポケットが震えた。
スマホに何か連絡がきたのだ。
確認してみると、ちょうど考えていた人、日代君からだった
゛勉強を教えてもらいてぇんだけど、空いてる日はねぇか?忙しかったら断ってくれてもいい。お互いテスト前だからな゛
「もしかして日代君から?」
由梨花の言葉にギクッとする。
「な、何で…」
私、一言も彼だっていってないよね?
「心春って日代君から連絡来たとき…。何て言うのかなぁ。そうだ、幸せそうな顔してるよ」
「えっ?」
幸せそうな顔ねぇ。なんでだろう。由梨花からだって、藍那からだってメッセージは届くのに。
何で日代君の時だけ、私は幸せそうな顔をしてるんだろう?
わかんないなぁ。
私の悪い癖だけど、わかんないことは後回しにしてしまう。
でも今回はそれはしてはいけない気がする。
取り敢えず、日代君に返事しなきゃ。
勿論、日代君と勉強することは嫌なことではない。
私は了承の返事を送った