第13章 お出かけ
「悪い、触られんの嫌だったか?」
私の動揺を見てとったのか、慌ててそう尋ねてくる日代君。
「嫌、ではないかな。ただ、ちょっとなれないだけ。学校で男子とほとんど関わりなくって。高校入ってから一番話した回数多いの日代君かも知れない」
「でも確か宮原って共学だったよな?」
「うん、でも元女子高だから男子が少ないんだよね。」
日代君が納得した顔になったのでホッとした。日代君のことが嫌いな訳ではないことを伝えることができて良かった
「驚かせて悪かった。何かお前見てると、妹のこと思い出してつい同じような扱いになっちまう」
「そ、そうなんだ…」
私、そんなに幼いか!!とどこかで落胆している私がいる
「落ち込むな。別に幼稚だとかそんなんじゃねぇ。何か構いたくなっちまうんだよ。」
これは素直に喜んでいいのかよくわからないが、とりあえず悪い印象ではないととっておこう
「妹といえば、今日は妹さんの誕生日プレゼント探したいって言ってたよね?」
「そうなんだ。毎年何がいいか聞いてもよくわかんねぇやつリクエストされてよ。結局わからずじまいでケーキやら妹の好きなメシ作ったりとか、後は文房具とか。申し訳なくてな。」
「え、日代君料理できるの!?」
「基本的なやつなら大抵作れる。最近は中華料理にハマってるな」
意外だ…。思わず日代君がエプロンをつけてフライパンを持っている姿をイメージしたが、何だか不思議な感じがした
日代君と話すたび女子として見習わなければならない点が見つかる。
相手は男子だって言うのに…!!
思わず頭を抱えたくなった
「そんで今年のリクエストは…。マイメ○のヌイグルミが欲しいっつってたんだけどよ、その…マイ○ロって何だ?」
確かに…。マ○メロわかんなかったら大抵の女の子の頼むものがわからないのもありうるな…。
それに日代君が子供がたくさんいるオモチャ売り場にいたら、シュールかもしれない
「とりあえず、一緒にオモチャ売り場に行こう?」
私は日代君に提案する。
「ありがとな。オモチャ売り場にあるのはわかってたんだが、前に行ったら子供に泣かれてな。それ以来足を踏み入れてないんだ。宮原となら大丈夫な気がする」
…日代君が何だか気の毒だ