第13章 お出かけ
そしてとうとう日代君と約束した日がやって来た。
私はいつもより気合いを入れて化粧をする
服やアクセサリー、靴を選ぶ時間もいつもの2倍はかかった
「姉ちゃん、何か気合い入ってんね」
休みなので、いつもより遅く起きた明人が私の姿を見て開口一番、そんなことを言ってくる
「そりゃそうでしょ。今日は日代君とデートらしいし?」
明人の言葉にお母さんがいち速く反応し、私をからかっているのかニヤニヤ笑っている
「私達は友達だから、デートじゃないよ」
私は真剣に答えているのに、お母さんはそんなこと言わなくてもわかってるわよー、とまだ笑顔のままだ
もしそれで日代君に好きな人がいたら、迷惑ではないか
日代君が気の毒になってくる
もうこれ以上何も言われないように、私は早めに出発することにした
しかし、ちょっと待つことになるかな、と思っていたのに、彼はもう約束の場所にいた
赤い髪が目立たないようにか、野球帽をかぶり、立っているが、彼のオーラはやはり人とは違うのか、道行く人が少し彼に注目しているように感じる
「日代君!」
私が少し離れた所から声をかけると彼はパッと振り返った
「おはよう、早かったな」
笑顔で挨拶をする彼は、普通の少年のように感じた
「ごめん、だいぶ待ってた?」
「いや、さっきまでダチんとこ行っててな。そんなに待ってねぇよ。それに俺が早くつきすぎたんだ。気にすることはねぇよ。」
彼は私の頭にポンポンと手を乗せた
まただ。何で日代君に頭を撫でられたらこんなに緊張してしまうんだろう
他の男子に今までそんなことをされたことがなかった私は目に見えて動揺してしまった