第2章 それは騙されたことから始まる
「久しぶりにおしゃれしてよ。ながーいことおしゃれしなかったら、本当に彼氏どころか誰かに好きになってもらえることも無くなるよ?」
まあ、そういうのはどうでもいいんだけど、最近身の周りのことを気にしなさすぎてヤバイことは自覚している
このまま、私は一生独身かー。まー気楽でいいかー。とさえ思うようにもなってきた
少女漫画を読んで高校生に憧れていた時と大違いだ。
あの頃の期待を思いだし、よけいむなしい。
「おしゃれするくらいならいいや。わかったから安心して」
二人は目に見えてホッとしている。
土曜日何を着て行こうかな。
久しぶりにその気になるとなかなか楽しい。
そうだ、あのヒール履いていこう。
前にかわいいと思って買ったピンクのヒール
ずっと履く機会がなくて靴箱のすみに押しやられている春らしい靴
丁度4月だしいいだろうな。