第2章 それは騙されたことから始まる
「おはよー!心春!」
藍那が元気一杯に手を振ってくる。
何か…いつもより気合い入ってる気がする…
化粧もバッチリしてるし。何かちょっと嫌な予感
「おはよう。二人とも何か気合い入ってるね。」
由梨花も、いつもよりかわいい気がする
「気のせい気のせい。もしくは女子力が上がったの!」
「それはない。藍那いっつもハンカチ持ってくんの忘れてるし」
一応訂正をいれておかなければ。この子は合コンの時は本気を出すけど、基本はめんどうくさがりで、結構抜けている
「まあ、二人ともカラオケに行こ!」
由梨花は慌てたように私達の腕を引っ張った。
私はこの時、何かあるとは考えていたけれど、あんなことが起こるなんて全く考えていなかった。