第8章 誘拐
私に見せてきたスマホの画面には…
病院の前でバイクに跨がる日代君とその側に立っている私が喋っている画像が表示されていた
「これ、心当り無いわけねぇよな?昨日俺たち見ちまったもんな。お前らがバイク二人乗りしてきた所を」
「それは…!ただ、急いでたから送ってもらっただけで、付き合ってるわけじゃないです」
それだけで付き合ってると判断するとか、バカじゃないの?
「別に俺たちはお前が日代の女じゃなくても関係ねぇ。お前が日代を呼び出す餌になれば、どんな関係だろうと構わない。あいつは仲間しかバイクの後ろにはのせねぇ。つまりお前は脅しに使えば絶対日代が助けにくる都合のいい餌なんだよ」
私はさっと血の気が引いた。つまりは私を人質にして日代を呼び出すつもりなのだ
こんなことさせてはいけない。私の身のためにも、そして日代君の身のためにも。
私はスマホを取り出す
「そんなことしたら私、警察呼ぶわよ。今からあなた達がそこから一歩でも動いたら容赦しないから!」
もしものそれでもこちらに来たら出来る限りの声で叫ぶ。
幸い学校を出てすぐのところだから人目のつくところではある。
どうしてこの人達がこんな目立つ所で私を脅しているのか検討もつかないが、この状況を最大限に活用しなければ
私が目の前の二人を睨んでいると、
「残念だな。お前はどうあがいても俺たちの所に来てもらう。言っておくけど、俺たち二人だけでこの作戦やってると思うなよ?」
その時、背後に何か気配があるのに気がつく
けれど気づいたときにはもう遅く、私は頭に強い痛みを感じた