第8章 誘拐
私は校門を出たとき、肩をたたかれ、呼び止められた
ふりかえると、がらの悪そうな男子二人組がニヤニヤしながら立っていた
二人の着ている制服は、ヤンキーが多いことで有名な学校のものだった
「ちょっと聞きてぇことあるんだけど、いいか?」
金髪の男子がそうたずねてくる
私の学校の生徒とけんかでもしたんだろうか
私は少し警戒する
「日代雅晴ってやつのこと知ってるか?」
白い髪の男子がそう言う
なるほど、この人たちは日代君の友達か
でもどうしてここの学校に来たんだろう
「日代君はここの学校ではないですよ。」
二人が顔を見合わせてニヤリと笑った
「やっぱ当たりだ」
何のことだろう…
「お前、日代の女だな。ちょっと俺たちのとこ来てくれねぇかな」
ヤバイ…。何か危ない気がする
「私、日代君の彼女じゃないです。そもそも日代君と、少ししかしゃべったことがないです」
私が焦ってそう答えると、二人はスマホの画面を見せてきた