第42章 ほんの些細な日常も
「私達だって心春達二人と一月ぐらいしか差が無いのに、そんな手ぇ繋いで赤くなったりとかしないし。」
「それはみんなの性格の違いじゃないかな。」
私も由梨花と同じ意見だ。藍那達は異性に対してフレンドリーだから、日常でもスキンシップが多い。だからいざ手を繋いでもそんなに緊張しないのでは無いだろうか。
「うーん、そんなものなのかなぁ。」
私がそう伝えると藍那は納得出来ない部分はあるもののそう答えた。
「私達だってもう手を繋いでドキドキとかそういう時期ではないかなぁ。」
由梨花はそう呟く。
「もう2年以上付き合ってるんでしょ?それだったらそうかもねぇ。」
由梨花と祐希君はなんだかもう、夫婦みたいな雰囲気を出していて、お互いにときめいている、という雰囲気でもなく、信頼している感じだ。
由梨花いわく、部屋に二人きりでお互い沈黙していても不快ではないらしい。
私だったら緊張してあれこれ話してしまう気がする。
私の目標は二人みたいな付き合いをすることだ。
「あ、でも抱き上げられたりとかはあったよ。」
私はことの発端となった藍那の質問を思い返してそう言った。