第42章 ほんの些細な日常も
「ホント⁉」
藍那は見事にその話題に食いつく。
「うん、不良達から助けてもらったときに、足がすごい痺れてて…。それで助けてもらったりとか、バイクに二人乗りするときバイクの座席高いから…。」
「…。それって付き合う前じゃない?」
「うん。」
藍那はガックリと項垂れた。
「それじゃあカウントに入るのかびみょうじゃん!」
確かに!恋人として抱き上げられたりとかはしたこと無いね。
それに付き合いだしてからはなんか日代君からの接触も少し減ったな、とは思う。
向こうも意識してくれているのかな何て考えると少し照れくさくてにやけてしまう。
でも触れてくれないことには少し不満でもあった。
頭撫でられるの好きなんだけどなー。
以前のように頭に手をポンポンとのせてくれる回数も減った。
自覚していくとどんどん寂しくなってくる。
「あーっ!あんたらのイチャコラ話を聞きたい!」
藍那はやけになったように叫ぶ。
「何でよ、藍那達がイチャコラすればいいでしょ。」
友達のラブラブ話を聞きたがらないで欲しい。私達は残念ながらお互い積極的になれないのだから。
「違うのーっ!私があいつといちゃつくのと、あんたと日代君がいちゃつくのとはまた別物なの!それに二人ってうぶだからこっちが聞いてるだけで微笑ましくなって幸せになれるんだから。」