第33章 告白はしたけれど
「ア、アタックとかはどう応えたらいいかよくわかんねぇけどよ、お前の気持ちは大事にしてぇから、何か言いたいことがあったらすぐ言えよな。」
「うん。」
照れてるのか微妙に視線を外しながら話す日代君は何だかかわいらしく見える。
「今日はその事を直接言いたくて呼んだんだ。でもそれだけじゃあ何だしどっか行くか。」
「うん!」
日代君はゆっくりと腰を上げ、んじゃどこ行きたい?と尋ねてくる。
「ゲームセンター?」
ショッピングセンターの最上階に設置されているゲームセンターは様々なゲームが置いてあって、学生を飽きさせることはないと思う。
「宮原がゲームセンターって意外だな。」
「何かたまには違うとこ行ってみたいなーって思って。」
女子同士でもプリクラを撮りに行くぐらいしかしない。
「言っとくけど、がらの悪いやつらに話しかけられたらすぐ逃げるんだぞ。たまにあそこは不良の溜まり場になってっからよ。」
「相変わらずそういうの詳しいね。」
「俺を誰だと思ってんだ。」
日代君は笑いながら答える。
「でも昔は俺もあそこに何回も行ったな。」
「溜まりに?」
「違う違う。やられちまった仲間の敵打ちにだよ。あそこ縄張りにしていたやつと何回喧嘩したことやら。」
あれは大変だった、と言ってるわりに口元は笑っていて、彼なりに楽しかったんだろうなと感じた。
日代君といる時間はとても楽しくて、向坂のことはしばらくの間、考えないでおこうと思った。
だって楽しい時間に水を差してしまうのだから。