第5章 救世主
「絆創膏みつかんねぇか?」
「う、うん…」
「しょうがねぇなぁ。」
日代君は少し笑って、私の頭をくしゃっと撫でると、私が座っている前にしゃがみこんだ
「ほら、足出せ」
…⁉
唐突にそう言われて、混乱したが、私は言われた通り足を出す
すると日代君は鞄から絆創膏を取り出して私の靴擦れのところに貼ってくれる
男子に女子力負けた…
「ん、膝も擦りむいてんな。ちょっと待ってな…。お、あった。これ、綺麗だから心配すんなよ」
日代君は男物のハンカチをとり出し、私の膝の血を拭う
「申し訳ねぇけど、ケガのサイズにあう絆創膏ねぇわ。我慢してくれ」
「大丈夫。ありがとう。ハンカチかして。それ洗って返す」
「構わねぇよ。これくらい、気にすんな。ところでお前、急いでたんじゃねえのか」
私は慌てて立ち上がる
「弟が事故にあって病院に運ばれたって…」
日代君が顔色を変える。
「こっちこい。」
日代君は私の腕を掴んで病院と反対方向に進んでいく
え⁉ちょっと…。私、急いでるんだけど⁉