第5章 救世主
連れて来られたのは、カラオケ屋の駐輪場
そこには…
ド派手なバイクがあった
よく暴走族が乗っているバイクのように大きくて色んな派手な模様が入っている
日代君はヘルメットを私に投げる
「それ、被れ。病院まで送る。走るより速ええだろ
」
私は日代君に言われるがままに日代君の後ろに座る
「ありがとう」
「いーんだ。弟のところに早く行くぞ」
日代君がバイクのエンジンを噴かす
こんなに大きな音を聞いたことがない
私は驚いて思わず日代君の腰に回していた腕に力を入れてしまった
「怖いか」
「…ちょっとだけ」
「大丈夫だ。これでも免許はとってる」
そう日代君が言うと共にバイクが動き始める
速い…!
バタバタと風によって服の裾が暴れる
轟音と突風で私は一瞬自分がものすごく小さなものに感じた
「これぐらい速くても大丈夫かー!」
声が音にかき消されないよう日代君が叫ぶ
「う、うん!」
「危ねぇから絶対腕の力、緩めんじゃねぇぞ!」
日代君は、周りの車よりもだいぶ速いスピードを出していた。
警察の人に捕まるんじゃないかとヒヤヒヤする
でも運転の技術は確かなようで、ぶつかりそうになることは一度も無かった