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私達は偽者シンデレラ

第29章 彼の過去と後悔


ひととおり笑が収まったあと、彼は私の方に向かって真剣な眼差しを向けた。


「実はな、俺がどうしてred crashに入ったか前に話したけどよ。あれもまだ一部しか言ってねぇ。それにちょっとだけだけど嘘もついた」



「そうなんだ。」



色々な事実を教えられるけれど、教えてくれなかったことに落胆するというよりも、驚きすぎてどんな反応を示せばよいのかだんだんわからなくなってきた。



「俺、実はな…。昔いじめられっ子だったんだ。」



「えっ!意外!」


「そうか?結構昔は人見知り激しくてよお、怖い奴にもいいなりだったし、言い返せないし。なんつーかの○太とジャイ○ンみたいな関係のやつがいたんだよな。結局小学生ん時は祐希しかダチができなくてよ。」



日代君がの○太みたいなところ…。


今がいかついからかな。考えづらい。



「んでそのジャ○アンも中学ではたちの悪いやつとつるみだして俺は毎日ボコられたりパシられたりだったな。んでそんとき助けてくれたのが、前のred crashのリーダーってわけだ。」



日代君は前に、昔の自分は自分の子とを上手く人に伝えられなくてむしゃくしゃしてたって言ってた。それって多分、いじめるのをやめて欲しいって言えなかったってことだったんだ。



次々と日代君の過去が明かされていく。



「それで俺は強くなりたい。自分を代えたいと思ってred crashに入ったんだ。」



頭の中で昔の日代君の姿が描き出されていく。



その一つ一つが愛しいと思ってはいけないだろうか。



等身大の日代君を知れて、嬉しいと思ってはいけないのだろうか。



日代君は後悔が消えない限り、きっと私の告白を拒み続けるだろう。



でも私は諦めないでいこうと決心した。







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