第24章 勇気を出して
これは、日代君が私と会いたいと思っていてくれるって考えていいんだよね?
理由づけはいらないのかって聞いてるんだから、友達との話ではなくて、私と日代君との話ってことだよね?
一人で舞い上がってしまい、頭の中を言葉がぐるぐると飛び回る。
「良かった。今まで女のダチとかいなかったからよ、そういう距離感がいまいち掴めねぇんだよな。もし、気にさわることとか無意識にしていたらごめんな」
「気にさわるなんてとんでもない!日代君は優しいし、一緒にいて楽しいよ!」
思わず気が高ぶっているのか、早口で答えてしまう。
日代君の安心した顔を見て、私もじょじょに落ち着いていく。
せっかく日代君が勇気を出して言ってくれたんだから、私も頑張らなきゃダメだよね…。
少し照れちゃうかもしれないから、もう少し先に言おうと思っていたけど…。
夏祭りのお誘い、今してみようかな。
私は再びバクバクと音を立て始めた心臓をなだめるように、大きく息を吸う。
落ち着け、落ち着け。たかが夏祭りへのお誘いだ。それには由梨花も藍那もいる。
デートのお誘いじゃない。ハードルはそこまで高くない。
何度も何度も自分に言い聞かせた。
「日代君。」
私が彼の名前を呼ぶと、彼は私の方に顔を向けた。