第24章 勇気を出して
「あのさ。だいぶ先なんだけど8月の夏祭り、一緒に行かない?」
「…夏祭り?」
「うん」
案の定、日代君はそんなお誘いが来るとは思っていなかったらしく、キョトンとしている
「あのね、由梨花と藍那が私とも彼氏とも行きたいし、前のメンバーで集まればいいんじゃないって」
「ああ、それもそうだな。」
「で、問題は夏祭りって夕方からなんだけど、大丈夫?」
これが一番大事なところ。友達と遊ぶときも、日代君が途中で帰ってしまうことは多々あったと聞くから緊張する
「夏祭りは毎年8月の第一日曜日だったよな。」
「うん。」
日代君は少し黙って考えたあと、
「日曜なら大丈夫。もしだめでも無理矢理大丈夫にするから安心しろ。」
私はホッと息をついた。
良かった、上手くいった。嬉しくて自然と笑顔になる。
「そんなに嬉しいか。」
「うん!日代君と夏祭り行けるなんて、楽しみ」
「いや、そういうつもりで聞いたんじゃねぇんだけどよ…。まぁ、楽しみにされるのはいいことだな。」
しまった!今本音が出てしまってたな…。
きっと日代君は夏祭りに行くことに対して尋ねていたに違いない。
でもまぁ、相手が嫌じゃ無さそうだからいっか。
私は2ヶ月も先のことを期待してわくわくしてしまう。
「そんなに早くから楽しみにしていたら、当日には疲れてるんじゃねぇか?」
日代君が楽しそうに笑うので、私は、
「だって花火あがるし、屋台も出るんだよ?楽しみだよ。」
「色気より食い気か。」
日代君は私の頭をワシャワシャと撫で、大きな声で笑った。