君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第1章 登校
定期で改札を抜け、駅の構内を通り、道路に出た。
こんないい天気だったら、いつもなら駐輪場に停めてある自転車で学校まで行くんだけど。
毎週水曜日はそれもおやすみ。
理由はもちろん、××さんを少しでも長く独り占めしていたいから。
「司馬君、早く早く。朝練遅刻しちゃうよ?」
××さんが俺に振り返り、足早に歩きながら手招きする。
仕方ないなぁ。俺は足を速めて××さんの隣をキープした。
ホントは早歩きもしたくないんだけどね。
実はそんなことを思ってるのは、俺だけの秘密。