君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第9章 猿野の場合
思い立ったが吉日、俺は××に詰め寄った。
「な、なに?」
壁に持たれる××を引き寄せて、人目も気にせず抱き締めた。
「大好きだぞ。」
頭を撫でると××も腕を回してくる。
「・・・それから?」
「今日は家までお送りします、お姫様。」
「遅いんだよ馬鹿。」
「わりぃ。」
どうやら正解だったようでほっと胸を撫で下ろす。
××を見ると嬉しそうに笑っていやがった。
家に送るって言うだけでご機嫌になるなんて、お姫様気分にさせてあげるなんてのは案外単純な事なのかもしれない。
俺の胸に顔を埋める××がたまらなく可愛い。
そのままキス、とは行かなかったけど今はこれでいいか、なんて。
なんかキスしなくても満たされた気分だったんだよ。
これが好きって気持ちなんだろうか。
女心もだけど俺の心も難しいもんだ。