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君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】

第9章 猿野の場合


「猿野はあたしのこと好き?」
「・・・はい?」
もう訳が分からなくて頭は完全に考えることをやめた。
「だから!あたしのこと好き!?」
「す、好きだよそりゃ!大好きだよ!」
なんかもうお互いにヤケクソだった。
「あたしも猿野のこと好きだよ?でもさっきの猿野は好きだからじゃなくて、ムラムラしたからキスしようとしてた!ムラムラするからキスするなら、女の子だったら誰でもいいじゃん!」
な、な、な?どういうことだよ?
「あたしは!あたしのことが好きだからキスしてほしいの!」
数秒置いて俺はようやく全てを理解した。

要するに××はロマンチックな時間を期待してたのに、俺が本能のままに動く獣になったのが嫌だったわけ?
確かに、好きだから我慢するとか、てっぺんでキスするなんて考えもしなかった。
夢見るような時間を提供出来なかったのは俺の落ち度だ。

・・・××の言うことはごもっともだと思うけど。
「俺は××だからムラムラしたんだけどな。」
「なっ!?馬鹿!!」
何故か乱暴に突き飛ばされてこの話は終わってしまった。
「なんで!?俺は××以外の女だったらこんなにムラムラしねーぜ!?」
「ムラムラ言うな変態猿!」
「はぁ!?」
なんでこんなに怒られなきゃいけねーんだ!
女心ってやつは難しいもんだな・・・。
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