君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第8章 司馬の場合
着いたのは路地裏の怪しげなビル。
地下へ続く小汚い階段の向こうからは、光と音楽が漏れていた。
「ここ?」
××さんが心配そうな顔をするのも無理は無い。
俺も最初は中学の先輩に連れられて来たけど、ヤバい事に巻き込まれたかと相当ビビったっけ。
大丈夫だよ。
気持ちが伝わるように笑顔で××さんに手を差し出す。
××さんは照れたようだったけど、「ありがとう。」って手を重ねてくれた。
あ、ちょっと彼氏らしく出来た。
自分自身で「よくやった。」と褒めたい気分だった。