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君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】

第8章 司馬の場合


駅の男子トイレの個室に入って、おもむろに制服を脱ぐ。

さすがにライブハウスに制服で行くのは、校則とか周りの目がうるさくて。
私服を持って来てね。駅あたりで着替えて行こう。
それが××さんに伝えた注意点。

俺はサブバッグからアイロンのかかったシャツを取り出す。
おかしくないかな?昨夜悩みに悩んだコーディネートに今更ながら心配になり出す。
・・・いいじゃん、普段の俺で。もうどうしようもないんだ。
自分に言い聞かせて皺にならないよう着替える。


××さんの私服か。どんなんだろ。合宿の時はTシャツにジーパンでシンプルだったっけ。
いやでも、誕生日デートなんだ。気合い入れてくれたら・・・やばい。にやける。



トイレから出ると××さんの姿はまだ無かった。
女の子は時間がかかることは承知している。
きっと気合い入れてくれてるんだ。俺のために。

女子トイレから出て来た人と目が合った。少し笑われた気がした。
俺、そんなににやけてる?
少し落ち着こうとイヤフォンの音楽に集中した。
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