君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第4章 休み時間
「そういや比乃君、背ぇ伸びた?」
○○ちゃんにそう言われて、僕は帽子を脱いだ。
頭を振って手ぐしで髪を撫で付けて、髪型を整える。
「どうかなー?前の身体測定では154センチだったんだけど・・・。」
「あたしよりちっちゃかったよねー。」
ぐさっと音を立てて、○○ちゃんの言葉が僕の心に突き刺さる。
あーそうだよ。僕は○○ちゃんよりちっちゃい男だよ。
○○ちゃんよりちっちゃい僕なんて、男として見てもらえないよね。ぐすん。
普段身長を気にしない僕でも、それに関してだけは気にしていた。
「ほら、しゃんとして!気をつけ!」
「はい!」
○○ちゃんにまたべしっと叩かれて、僕は反射的に背筋を伸ばした。
なんていうか、○○ちゃんのこういうところ、お母さんみたいだ。
「んー?」
向かい合わせに立って手を水平に動かして、○○ちゃんが身長を比べる。
○○ちゃーん!顔が近いよー!
いくら人と接するのが得意な僕でも、ちょっと顔を出せばキス出来そうなこの距離にはドキドキした。
○○ちゃんが照れないのは、やっぱり僕を男として見てないから、なの?