君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第3章 1限目
「お、おい。どうしたんだ?」
先生の声に顔を上げると、クラス中が僕達の方を見ていた。
もう一度さっきのところに視線を戻すと、僕の腕にすっぽり収まった××さんと目が合った。
数秒目をぱちくりさせているところを見ると、状況を考察しているらしい。
「えーっと・・・落とした消しゴムを取ろうとしたら、机から手を外しまして。」
さらっとそんな嘘をついて、××さんは体を起こす。
この状況でよくそんな嘘が瞬時に出て来るっすね・・・。
僕も××さんを押し上げて、どうにか席に座らせた。
「嘘つけ。××が寝ていたのを先生はしっかり見ていたぞ。」
先生の言葉で、クラスからどっと笑いが起こった。
「机から落ちるほど寝るなんてどんだけだよ!」
「××ー!さすがに起きたかー?」
嘘がバレた××さんは少し顔を赤らめて、「ごめんなさい。起きました。」と小さく謝罪した。