君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第2章 朝練
「・・・ありがとう。」
腰を抜かした××が俺を見上げる。
「ぼーっとしてんじゃねーよ!俺様がいたから助かったんだぞ!」
だから!どうしてこんなことしか!言えないんだ!
落ち込んでいると、××が立ち上がって尻についた砂をはたいた。
「そろそろ朝練も終わり出し、ちゃちゃっとボール拾って片付けますかな。」
そう言って、手近なボールからまた拾い始めた。
切り替えの早い奴。
もうちょっと、助けてくれた俺への気遣いとか無い訳?
まぁ、××にとっちゃー俺が落ち込んでるかなんてどうでもいいよな。
っつーかそれ以前に嫌われた?憎まれ口ばっかだからな。
「はぁ・・・。」
ダイレクトキャッチしたボールを籠に放り込むと、がしゃっと音を立てて籠に収まった。