君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第2章 朝練
「籠まで運んでくれてありがとう。」
ボール拾いも終わって、選手が着替えに部室へ駆け込む中、片付けまで手伝った。
相も変わらずテンションは上がらず。
俺ももうちょっと気の効いた事が言える紳士だったらモテたんかなー・・・。
だはーっと盛大にため息をついていると、つんつん、肩に刺激が。
刺激のした方に向くと、俺を見上げる××の顔。
「さっきは本当にありがとう。あと、その・・・かっこよかったぞ。」
上目遣いで照れながら好きな人にそんなこと言われたら、舞い上がるのは当たり前で。
かっこいい言葉もおちゃらけた言葉も口からは出ずに
「・・・おう。」
真っ赤な顔で、ただの返答しか出てこなかった。
「まぁ、あのキャッチが試合中に出来ればもっとかっこいいんだけどねー。」
××のこの言葉には、ぐうの音も出なかったけどな!