君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第2章 朝練
「まーたサボり?しっかり練習しなさいよね。」
「大スラッガー様には練習なんて必要ねーんだよ!」
××は「もうっ。」と膨れっ面しながら、拾ったボールを近くの籠に入れる。
俺はどうしても××にだけはいい顔が出来ねえ。
あれだ、好きな子ほどいじめたくなるみたいなやつだ。
いっつも見栄張ってつっけんどんな返ししか出来ず、その度に俺は後悔から肩を落とす。
周りを見ると、白球がまだまだ転がっていた。
他のマネージャーは飲み物とか書類の処理をしてるらしく、××1人がボール拾いをやっていた。
「手伝うぜ。ボール拾いも1年の仕事、なんてな!」
「ありがたいけど、練習してくれる方がもっとありがたいな。」
「うっせーなぁ。じゃあ送球コントロールの練習ってことで。」
拾ったボールを投げると、上手いこと遠くの籠に吸い込まれていった。