第9章 そして…
大きく目を見開いて、ユメの瞳を見つめるトランクス。
溢れてくる想いと一緒に、ユメの頬に熱い涙が伝う。
「ずっと言いたかった。トランクスに好きって言われて、本当はすごく嬉しかった」
あのとき言えなかった想い。
「……でも、住む世界が違う私が……いつ元の世界に戻ってしまうかもしれない私が、そんなことを言う資格なんてないって……っ!?」
だが、そこでトランクスにもう一度、強く抱きしめられてしまった。
その腕の中はさっきよりもずっと優しくて、そして、温かかった。
……少し早い気がする彼の鼓動が、直に伝わってくる。
「オレは、ユメのことが好きです。住む世界が違っても、オレはユメが好きです……!」
「トランクス……」
……なんで、そんなに嬉しいことを言ってくれるの……?
嬉しくて……嬉しくて……ユメの目から次から次へと止め処なく涙が零れ落ちる。
腕を緩め、トランクスはもう一度ユメの瞳を見つめた。
「オレは、こうやってユメに逢えた。その奇跡に……感謝します」
そう言って、涙でぼやけた先の彼が、綺麗な笑顔を見せてくれた。
「っ!」
感極まって、ユメはトランクスに飛びつく。
好き。
大好き……!
何度言っても、足りないくらいに――。
「大好きっ!!」
ユメの言葉にトランクスは少し顔を赤くして。
それから嬉しそうに微笑んで。
……もう一度、強く、ユメを抱きしめた。