第1章 一日目
「母さん!」
「トランクス!! 良かった! 無事だったのね」
そう言ってトランクスに飛びついてきたのは、彼の母、ブルマだった。
「何だったの!? あの化け物!」
「か、母さん」
トランクスはユメが後ろにいるせいか、顔を真っ赤にしてブルマを引き剥がした。
「あら、お客さん?」
ブルマはユメに気付いたようだ。
キョトンとした目でユメを見る。
「は、はじめまして! おじゃましてますっ」
慌ててお辞儀するユメ。
ユメにとって彼女もまた憧れの存在だったので、とても緊張してしまう。
そして、やっぱりキレイな人だなと思った。
「母さん、彼女はユメ。彼女がさっき叫んでくれたおかげで、オレはあの化け物に気付けたんですよ」
「あぁ! さっきのあの声、あなただったのね」
ブルマはユメを見て微笑んだ。
「ありがとう! たいしたものはないけど、ゆっくりしていってね」
そう言って、ブルマは奥の方にパタパタと走っていく。
ユメは部屋の中を見回した。
建物の外側はまだ建設途中だったが、中はほとんど出来上がっているようだった。
「どうぞ、そこに掛けてください」
「あ、はいっ」
トランクスに言われて、目の前にあった椅子にユメは腰掛けた。
「ちょっと、オレは着替えてきちゃいますね。母が来たら言っておいてくれます?」
「あ、わかりました!」
トランクスはニコリと笑いながらその部屋を出て行ってしまった。
「…………」
1人になるユメ。
はぁ~と、大きく息を吐いて、そのままユメはテーブルに突っ伏した。
「……っていうか、一体なんなの!? これは!」
思い出したように大混乱する頭。
「夢……じゃないの……?」