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【DB未来トラ】想い

第1章 一日目



「え!? わっ、どうしたんですか!?」


 トランクスは手で顔を覆って泣き始めたユメを見て慌てた様子だ。


「もしかして、どこかケガしたんですか!?」


 ユメは首を振る。


「じゃあ……オレが怖い、ですか……?」


 そう言いながらトランクスの声が小さくなった。


「ち、違いますっ」


 顔を上げて強く否定するユメ。

 それを見てトランクスは驚いた顔をする。


「トランクスが、戻ってきてくれて、安心して……だから」


 涙を拭いながらが言う。

 するとトランクスの顔が少し赤くなった。


「あ、ありがとうございます。でも、どうしてオレの名前を……?」

「え?」


 慌てるユメ。

 自分でもわからないこの状況を一体なんと説明すればいいのだろう。


「えっ……と、だって、有名ですもん! すごく強いって!」


 咄嗟にそう言ってしまった。

 するとトランクスは最初また驚いて、そして微笑んだ。

 でもその笑顔は少し寂しそうで、ユメは不思議に思った。


 トランクス……?


「――そうだ。お礼もしたいですし、うちに寄っていきませんか?」

「え!?」


 ユメは急なお誘いにびっくりする。


「あ、ムリにとは、言いませんが……」

「いえ! あの、嬉しいです!」


 つい大声になってしまい、ユメは赤くなる。

 トランクスがそれを見て笑う。そして。


「名前、教えてもらえませんか?」

「ユメ、です」

「ユメちゃん、ですね」


 ドキっとする。

 まさかトランクスに名前を呼んでもらえるなんて夢にも思わなかった。

 やっぱり、これは夢、なんだろうか……?

 しかも「ちゃん」付けはかなり恥ずかしい。

 確かにトランクスの方が年上だけれど……。


「あの、呼び捨てでいいです!」

「そう、ですか? ……じゃあ、ユメ、来てください」


 そう言ってトランクスはまだ建設途中らしいカプセルコーポレーションへと足を向けた。


 ユメは、というと……。


 ――う、わあぁぁぁ……!


 憧れの人に名前を呼び捨てにされて、なんとも言えない幸福感に浸っていたのだった。

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