第7章 四日目
「おはようございます!」
「おはようユメ。早いわね。って、その服! もしかして……」
椅子に座ってテレビを見ていたブルマが、ユメの服を見て嬉しそうな顔をした。
トランクスはリビングに居なかった。まだ自室だろうか。
「はい! 昨日、トランクスに買ってもらった服です」
ユメは少し顔を赤くして、ワンピースの上に羽織ったジャケットに触れる。
「うん! かわいいかわいい! ユメにすごく似合ってるわ!」
言われてユメはテレながら笑った。
――昨夜、リフレッシュルームから出るときに、
「ユメ、今日買った服、明日母さんの前で着てあげて。きっと喜ぶから」
そう、トランクスに笑顔で言われたのだった。
「ブルマさん! 今日は私に何でも仕事押し付けてください!」
「え?」
ブルマがキョトンとした顔でユメを見上げる。
「私ここにお世話になってから、ブルマさんのお手伝いほとんどしてないので……」
そうなのだ。
最初、ここのお世話になると決めたときに、「掃除でも洗濯でも……」と言ったユメ。
しかしなんだかんだでほとんど何もしていなかった。
今日はブルマの手伝いをしようと、ユメは昨夜から決めていたのだった。
でも。
「何言ってるの。ユメはもう十分なことをしてくれているわ」
ブルマはそう微笑んだ。
「え、そんな。私何も……」
「私は娘が出来たみたいで嬉しいのよ。出来ればずっとここに居て欲しいくらいだわ」
「ブルマさん……」
胸がじーんと温かくなる。
ブルマは笑顔で続けた。
「それに。トランクス、あの子が一番そう思っているはずよ」
「トランクスが……?」
ドキっと期待に胸が鳴る。
本当にそう思ってくれていたら、どんなに嬉しいだろう。
ユメがほんのり顔を赤くしていると、
「いっそのこと、ユメ、あの子と結婚してうちの娘になっちゃわない?」
ブルマはとんでもないことをさらりと言った。