第5章 三日目
「へ?」
きょとんとするユメにトランクスはブルマの書いたメモを差し出す。
「ほら、ここ」
そこには“ユメの服 ← 一緒に選んであげなさいよ!”と書かれていた。
慌てるユメ。
「あの、そんな事してもらうわけには……!」
「いいんだよ。母さん、本当は自分が選んであげたかったんじゃないかな」
「で、でも……」
……私は、いつまでここにいられるかわからないのに……。
そう出掛かった言葉を寸前で呑み込む。
「それにさ、買っていかなかったら怒られるのはオレだから」
自分を指差して苦笑するトランクス。
その顔を見てユメは思わずぷっと吹き出してしまった。
「トランクスって、ほんと、ブルマさんに弱いよね」
「ははは……昔から、どうもね……」
そう言ってトランクスはもう一度恥ずかしそうに笑った。
「ユメは普段どんな服を買うの?」
「えーっと、普通のカジュアル系かな」
「じゃぁ、今日はちょっと大人っぽいのに挑戦してみる?」
「え!?」
そんな会話を交わしながら、ふたりはレディースファッションが揃うショップに入った。
この店も大盛況のようだ。女性店員が忙しそうに店内を右往左往している。
「ここも大丈夫そうだな」
トランクスの言うとおりこの店でもばれる心配はなさそうだ。
少しずつ、二人の緊張はほぐれていっていた。