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【DB未来トラ】想い

第5章 三日目



 ――視線が痛い。


 ユメはトランクスと二人、ショッピングモールに向っていた。

 そのモールはカプセルコーポレーションから徒歩で10分程のところにあるらしい。

 今日は天気も良く、まさにショッピング日和。

 だが、まだ外に出て5分も経っていないのにすでにユメの気分は沈んでいた。


 ……甘く考えていたのかもしれない。

 まさか、こんなにも事態が悪いものだとは思わなかった。


 隣を歩くトランクスを、遠くからおびえた目で見守る人たち。

 彼に気付いた途端小さな悲鳴を上げて逃げていく者もいる。


 皆、トランクスを恐れている。


 それを目の当たりにして、ユメの心は大きく傷ついていた。

 ……でも、へこたれていられない。

 顔には一切出さないけれど、トランクスの方がきっと何倍も傷付いているはずだから……。

 だから、自分がしっかりしなきゃ……!

 しっかりトランクスを守らなきゃ!!


「ユメ、大丈夫?」


 当の本人であるトランクスが心配そうにこちらを見た。


「……え!?」


 しまった……! そんなに暗い顔をしていただろうか。


「私は全然平気だよ!」


 ユメは慌てて笑顔を作る。


「……ごめん、オレと一緒にいるとユメまで気分悪いよね」


 まるで冗談でも口にするように、トランクスが笑顔で言う。

 こんな時でも他人の心配をするトランクスがたまらなく痛々しくて……、


「そんなことない! トランクスと一緒にショッピングなんて夢みたいだよ!」


つい、大声で言ってしまってからユメは真っ赤になる。

 トランクスはびっくりしたような表情のあと、少し顔を赤くして言った。


「ありがとう」


 その満面の笑顔に内心クラクラしながらも、ユメはもう一度堅く誓うのだった。


 ……絶対に、トランクスを守ってみせる……!


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