第4章 二日目の夜
「ユメ……?」
トランクスがびっくりした表情でシャツを掴んだままのユメを見下ろす。
「違うの!! 怖いからじゃなくて……」
とにかく必死だった。そして……、
「トランクスにお姫様抱っこされるのが、ただ恥ずかしかっただけなんです!!」
……大声でユメはそう、叫んでいた。
「……」
トランクスはそんなユメを見て固まっていた。
「……っ! す、すいません!!」
ユメは思い出したようにパっとシャツから手を離す。
……ぅわあぁぁぁ~!! 言っちゃったよおおぉぉぉ~~!!
ユメが真っ赤になって心の中で叫んでいるとき、これはユメも気付かなかったことだが、トランクスの顔もユメと同じかそれ以上に真っ赤になっていたのだった。
「あ……そ、そうか……。そうですよね。……普通の女の子は、いきなり抱き上げられたりしたら恥ずかしいですよね。うわ……オレ、すごく失礼な男だ」
「ち、違っ、トランクスは全然失礼なんかじゃないです!」
ユメは手と頭をぶんぶん振って言う。
「いや、ごめん。オレ全然気付かなくて……。朝なんか慌てているユメを見て、かわいいなぁとか能天気なこと考えてて……、あっ! いや、……その」
……か、かわいい……!?