第4章 二日目の夜
「ありがとうございました~! またお越し下さ~い」
続々と帰る人々をかわいい制服姿のお姉さん達が手を振って見送っている。
そんな中ユメとトランクスもゲートを抜けた。
遊園地から外に出た途端、急に現実に引き戻されたようで寂しい気分になる。――いつもなら。
「楽しかったね」
「う、うん!」
トランクスの笑顔に応えてユメも笑顔を作る。
「やっぱり帰りも凄い人だな。見て、空も飛行機でいっぱいだ」
そう言ってトランクスは空を見上げた。
確かに、暗闇の中にはチカチカと点滅する、星ではない無数の光が見えていた。
「……トランクス、あんなに飛行機がいたら……その、危なくない?」
ユメは精一杯なんでもないふうを装って言う。
……夜で良かった。
きっと今微妙な表情になっているだろうし、何より先ほどからずっと赤くなっている顔を見られないで済む。
「大丈夫だよ。飛行機の飛ぶ高度よりも上を行くから」
「そ、そう」
「あ……でもその格好じゃちょっと寒いかな」
「え? あ……」
ユメは自分がキャミソール一枚だったことを思い出す。
「寒かったらオレのシャツ貸すよ」
「え!?」
だってそしたらトランクス、は、ハダっ……!
思わずモヤモヤと浮かんでしまった映像を慌ててかき消すユメ。
「平気っ! 全っ然寒くないから!!」
実際、興奮のせいか全身火照っていてむしろ暑いくらいだった。
「そう? じゃ寒くなったら遠慮なく言ってね」
「うん!」
はああぁぁ……。
ユメは心の中で大きくため息を吐く。
ホント、心臓に悪いです……!