第4章 二日目の夜
「で、でもトランクス大変でしょ? ……私、軽くないし……」
焦って言うユメ。
嫌なわけじゃない。むしろ嬉しいくらいだ。
……だけど、こんなに意識してドキドキしているのを知られてしまうのが怖かった。
「そんなことないよ。……実を言うとオレあんまり車って乗らないから、飛んじゃった方がラクなんだ」
「そ、そうなんだ……」
確かに、トランクスみたいに飛べたら車なんて必要ないよね……。
ユメは妙に納得してしまう。
――って、そうじゃなくって!
慌てて次の言い訳を考えるユメ。でも、
「朝みたいに飛ばさないから、ゆったり飛行機に乗った気分でいいよ。ね?」
と、満面の笑みで言われてしまい、
「~~っ! ……お、お願いします」
思わず頭を下げてしまったのだった……。
それから少しして運ばれてきた料理を、二人は今日一日あったことなどを喋りながら口に入れていった。
だがユメはこの後のことが気になって気になって、料理の味をほとんど楽しめなかった。
……朝は突然すぎて驚くばっかりだったから、まだ良かった。
でも今回は……変に心の準備をしなきゃいけないってのが、なんか、すっごく恥ずかしいよぉ~!
――果たして、カプセルコーポレーションに着くまでの間、平然とした顔でいることができるだろうか……?
全く自信のないユメだった。