第4章 二日目の夜
「はぁ……」
ユメは思わず感嘆のため息を漏らす。
メインイベントが終わり、他のお客がバラバラと散っていく中、ユメはまだその場所から動けないでいた。
「ユメ? 大丈夫?」
トランクスがクスクスと笑いながらユメの顔を覗き込んだ。
「え? あ、大丈夫!」
「パレード、近くで見られて良かったね」
「うん! すっごく得した気分!! はぁ~キレイだったなぁ……」
うっとりと言うユメをトランクスは優しく見つめて言う。
「ユメに喜んでもらえると、オレも嬉しいよ」
「え?」
「今日ここにユメと来られて良かったって思う」
トランクスが恥ずかしそうに言う。
途端、ユメの胸はぎゅぅっと苦しくなった。
……トランクス、それは私が言うセリフだよ……!
「――わ、私の方が! トランクスとここに来れて良かったと思ってるよ!!」
ユメが必死な顏で言うとトランクスは少し驚いた顔をした。
「ありがとう、トランクス。今日ここに連れてきてくれて」
心を込めてお礼を言うユメ。
するとトランクスは少し照れたように、でも嬉しそうに笑った。
それからふたりは広場の近くにあるレストランに入った。
途端、忘れていたように空腹感が襲ってくる。
遊園地に着いてすぐにファーストフードを食べてから、ほとんど何も口にしていなかったのだから当然といえば当然だ。
皆考えることは一緒で、パレードからまっすぐに来たお客でレストランはかなり混雑していた。
それでもどうにか待たずに席をGETできたふたりは早速料理を頼んだ。
「帰りもまた車混んでそうだなぁ……」
トランクスがポツリと言う。
「あ……そうだね」
「ユメが嫌じゃなかったら、また飛んで帰っちゃおうか」
「え!?」
にっこり言うトランクスにはどきっとする。
瞬時に、朝トランクスに抱えられてここまで飛んできたこと、そしてその時のトランクスのぬくもりを思い出してしまった。
……や、ヤバイ! 心臓が……!!