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【DB未来トラ】想い

第3章 二日目



「もう5時半か。パレードが7時からだから……変に遠くに行かないほうがいいな」

 トランクスが腕時計を見ながら言う。

 いつの間にか空はキレイな夕焼け色に染まっていた。

 パレードはゲートすぐの広場を一周するものらしい。

 今二人は丁度その広場にいた。


「場所取りとかした方がいいのかな……」

「そうだね。少なくとも30分前にはいたほうがいいだろうな」


 そうするとあと1時間。

 これからアトラクションに並んでしまうと微妙な時間ではある。


「……そうだ。ユメ、何か欲しい物プレゼントするよ」

「へ?」


 突然のトランクスの申し出にユメは思わず間抜けな声を出していた。


「今日の記念にさ。どこか……ほら、あの辺のお店見てみよう」


 そう言ってトランクスは可愛らしい外観のお店が立ち並んだ方を指差した。

 慌てるユメ。

 それでなくとも、ここのチケット代や食事代など全額出してもらっている身なのだ。

 それで更にプレゼントなんて……!


「い、いいよ! トランクス。ここに来れただけで十分なんだから!」


 本心だった。

 今日、この場所にトランクスと二人で来られただけで十分、ユメの胸はいっぱいだった。

 すると、トランクスは目を細めて微笑んだ。


「オレがプレゼントしたいんだ」

「……っ」


 そんなふうに言われて、誰が断れるだろうか……。



 ――結局、ユメは最初に入ったお店で、小さな翼の飾りが付いた銀のネックレスを選んだ。

 一目惚れだった。

 だがその店の主人の一言で戸惑うことになる。


「これはペアのものだよ。ほら、翼が片方だけだろう」


 確かに片翼だけ。そのデザインが気に入ったのだけれど……。

 その隣に、対になるもう一方の翼が付いたネックレスが飾られていた。


「片方だけでもいいけどね……。どうせなら彼氏とペアでどうだい?」

「かっ……!?」


 にっこり言った主人にユメの顔は沸騰したように真っ赤になった。


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