第3章 二日目
「でも、どうやって捜そう……」
「うーん。近くを捜してみて、もし見つからなかったら迷子センターに行くしかないかな……」
「そう、だね」
頷きながら見ると、もうリイナちゃんは泣いていなかった。
そしてその小さな手はしっかりとトランクスの手を握っていた。
どうやらすでにトランクスに懐いてしまったよう。
それを見てちょっと羨ましいな……とか思ってしまったユメであった。
「リイナね。さっきあれに乗ったよ」
そう言ってメリーゴーランドを指差すリイナちゃん。
「いいなぁ、楽しかった?」
トランクスが訊くとリイナちゃんは元気良く頷いた。
「リイナね、パパとあの白いお馬さんに乗ったの。お兄ちゃんも今度一緒に乗ろうよ」
「そうだね」
リイナちゃんは嬉しそうに、にぃーっと笑った。
まだ会ってから30分と経っていなかったが、リイナちゃんはトランクスにとてもよく懐いていた。
幸いリイナちゃんはあの後泣くことはなく、むしろ楽しそうにトランクスに連れられていた。
……リイナちゃんの親は未だ見つからない。
おそらく向こうもリイナちゃんがいないのに気付いて必死で探しているはずだ。
早く会わせてあげたい。
そこで今、ユメたちはゲート近くの迷子センターに向っているところだった。
もしかしたらリイナちゃんの親もそちらに行っているかもしれないと考えたのだ。
「リイナちゃんは、お家この近くなの?」
ユメが聞くとリイナちゃんはぶんぶんと首を振るった。
「ううん。西の都から来たんだよ」
「えっ、お姉ちゃん達も西の都から来たんだ。車で来たの?」
「うん」
「時間いっぱい掛かったでしょ」
「うん。でもリイナ、ちゃんと良い子にしてたよ」
「エライねぇ!」
するとリイナちゃんはちょっと得意気に笑った。
――かっわいい~!
ユメはぎゅーっと抱きしめたい衝動に駆られた。