第3章 二日目
まずはランチにすると決めていたふたり。
簡単にゲート近くにあったファーストフードで済ませることにした。
ハンバーガーを口にしながら、テーブルの上に入り口でもらった地図を広げる。
「わぁ。やっぱ広い」
「時間はたっぷりあるんだ。ぐるっと一周したいね」
「あ。7時からパレードがある! これは絶対見なきゃ」
「本当だ。じゃあその時間までには戻ってこないと……」
待ちきれないとばかりに早々にランチタイムを終えたふたりは、それから様々なアトラクションに挑戦していった。
しかし人が多過ぎて、どのアトラクションも30分待ちが当たり前。
でもその間会話は途切れることはなく、並んでいても全然苦にならなかった。
それどころかユメはその時間トランクスの色々な話が聞けて、トランクスの色々なことが知れて、とても嬉しかった。
中でも一番並んだのはこの遊園地のメインアトラクションである、ジェットコースター。何でも世界一の高低差があるらしい。
ジェットコースターは嫌いではないものの、得意でもないユメ。
実際乗っている人の絶叫を聞くたび何度も列から脱出しようと考えた。
それでも挑戦を決めたのは、おっかなびっくりな好奇心と、万が一事なにかあってもトランクスが隣にいるという絶対的な安心感があったからだった。
……だが、
「ユメ、大丈夫?」
「大……丈夫……」
「そうは見えないよ。足フラついてる。そこに座ってちょっと休もう」
トランクスが行く先にあるベンチを指差した。
見事に酔ってしまったユメ。
申し訳ないという気持ちが更に気分を悪くさせる。
「何か冷たいもの買ってくるから、ここで待ってて」
ベンチに座ったユメにトランクスが言う。
「ごめんなさい……」
うつむいて謝るユメ。
トランクスはその頭を優しくポンポンと叩いて、飲物を探しに行ってしまった。
はぁ~、また子供扱いされてしまった……。
でもこれじゃあホントに世話の掛かる子供だよ……。サイアク……。
重いため息をついてうなだれるユメ。
ユメは普段乗り物酔いなんて滅多にしない。
おそらく寝不足のせいだろう。昨夜ほとんど一睡もしていないだ。