第3章 二日目
「……」
「……」
ユメがおずおずとリビングに入ると、コーヒーを飲んでいたトランクスの動きが止まった。
そしてユメもまたトランクスの格好に見とれてしまっていた。
トランクスはクリーム色のシャツにジーパンという、思いっきりさわやか青年の格好だった。
か……格好良すぎ……。
この人と今日ずっと一緒にいられるなんて、私……大丈夫だろうか?
「ちょっと、何二人して見とれ合ってんのよ!」
「!!」
ブルマの大きな声で我に返るふたり。
「トランクス! こういうときは言うことあるでしょ!」
「え? ……あ」
いきなり怒られて慌てるトランクス。
それを見てブルマは呆れたようにため息をつく。
「まったく……。あんた、今日一日ちゃんとユメをエスコートしてあげるのよ!」
「わ、わかってますよ」
言って立ち上がるトランクス。
「じゃぁ、行こうかユメ」
「あ、はい!」
呼ばれて思わずビクリとするユメ。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
「ブルマさん、ありがとうございました!」
ユメが頭を下げるとブルマは笑顔で手を振った。
そしてトランクスの後をついてユメはリビングから出た。
廊下を歩きながらユメはトランクスに声をかけた。
「その遊園地までどのくらいかかるんですか?」
「そうだなぁ。車で一時間ちょいってとこかな。混んでなければ」
車……。
トランクスの口から車という単語が出ると、なんだか違和感。
いつも舞空術で移動しているイメージが強いからかもしれない。
でもトランクスが運転する車に乗れるなんて……とっても幸せ!
「……ユメ」
「はい」
前を向いたままトランクスが言う。
「さっきは……その、タイミング逃してしまったけど……」
「?」
言いにくそうに続けるトランクスの背中を、ユメは首を傾げ見つめる。
「すごく、キレイだよ」
「……!」