第3章 二日目
「よしっ。完璧ね!」
ブルマが腰に手をついて満足げに言った。
ユメはブルマの部屋の鏡の前で固まっていた。
「あの子驚くわよ~! ふふふっ」
「あ、あのブルマさん。これ、ちょっと派手じゃないですか……?」
ユメは背後のブルマに言う。
「何言ってるの~! これくらい全然よ。若いんだから」
鏡に映ったユメは、下がジーパン、上は大きく胸元の開いた真っ赤なキャミソール一枚という格好をしていた。
「それに私はさっきのワンピの方が良かったのよ~」
「あ、あれはダメです!」
焦って首を振るユメ。
最初ブルマが薦めてきた服は超ミニのワンピースだったのだ。
「まぁ。遊園地だからしょうがないけどね~」
「はは……」
遊園地。
そう、ユメは今遊園地に行く準備をしている。
昨夜、トランクスにどこかに行こうと誘われたユメ。
そして最近出来たばかりの遊園地があることを教えてもらい、即決定したのだった。
トランクスと遊園地!
誘ってくれただけでも嬉しすぎるのに、カップルの定番でもある、遊園地!?
すごく浮かれたユメだったが、すぐに着ていく服がないことに気が付いた。
それで早起きしてブルマに事情を話したのだ。
――というか、実は一睡もしていない。
こんなところで夢オチなんてイヤだったし、何より全く眠くならなかった。
ブルマは快く、むしろ楽しそうに自分の服を出してくれた。
「バッグは、これが合うわね」
と、ブルマが白いショルダーバッグを手渡してくれた。
「ありがとうございます!」
「うん。これで準備完了ね。向こうも準備できたかしら」
「……ブルマさん、あの、やっぱり変じゃないですか……?」
こんな普段しないような露出度の高い格好でトランクスに会うのが恥ずかしかった。
しかもブルマは張り切ってナチュラルメイクまでしてくれたのだ。
鏡に映る自分の顔がいつもよりオトナっぽく見える。
「大丈夫! ユメとってもキレイよ! 誰かさんも、きっと喜ぶわ」
言われて赤くなる。
「さ、行きましょ!」