第2章 一日目の夜
「……ユメがオレのために泣いてくれたのは、これで二回目だ」
「え……?」
涙で歪んだ視界の中でトランクスが微笑んでいる。
「最初会ったときもオレを心配して泣いてくれた」
「あ……」
そういえば、あの時も泣いてしまった。
急に恥ずかしくなってユメはごしごしと強く涙を拭った。
「ごめんなさい。泣きすぎですね……私」
そしてゆっくりと椅子に座り直す。
「いや、すごく嬉しい。なんだかオレまですっきりしたよ」
「……本当ですか? トランクスが泣いたわけじゃないのに?」
ユメにはトランクスが無理をしているようにしか見えない。
でもトランクスは笑顔で頷いた。
そして、更にとんでもないことをユメに言った。
「そうだ。ユメ、明日どこか行こうか」
「え?」
急に話が変わってびっくりする。
「どこかって……」
「うーん。遊園地とか……、ユメの行きたいところでいいよ」
……えっと……それって……。
固まるユメ。
「ユメ? どこか行きたいところある? 遠くても構わないよ」
にこにこと続けるトランクス。
――それって、もしかして……、
デ、デートってことですか――!?
ユメは心の中で絶叫を上げた。