第2章 一日目の夜
そしてロボットは持っていたメニューをテーブルの上に置いた。
ユメはすぐにそのロボットを気に入った。
「えーっと。じゃあ、ホットミルクをお願いね!」
ユメがそう頼むとそのロボットは『かしこまりました。少々お待ちを』と言ってまた来た方向へ戻って行ってしまった。
「かっわいいな~。名前あるのかな。いいや、私が名前つけちゃお!」
ユメは少し考え込む。そして。
「う~ん……、そうだ! “大五郎”決定~!!」
ユメはひとり笑う。
しばらくすると、その大五郎がホットミルクを持ってきてくれた。
「ありがと、大五郎」
『他にご注文がありましたら、ボタンでお知らせください』
そう言うと大五郎はまた戻っていってしまった。
確かにテーブルには小さなボタンが取り付けられていた。
「なーんだ、行っちゃうの。話し相手になってくれたら嬉しいのに……」
そこまでの知能は付いていないようだ。
ユメは仕方なく大五郎が持ってきてくれたあたたかいミルクをゆっくりと飲んでいく。
はぁ~と、さっきまでとは全然違う溜息が漏れる。
来て良かった。すごく気晴らしになっていた。
――そうだ! これ飲み終わったら大五郎がどこにいるのか探しに行こ!
そしてニコニコしながらユメはまたミルクの入ったカップに口をつけた。
……と、シュっと後ろでドアが開く音。
びっくりして振り返ると、そこには。
「ト……トランクス!?」
そう、そこには同じく驚いた顔のトランクスが立っていた。