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【DB未来トラ】想い

第2章 一日目の夜




 眠れない……。


 ユメはベッドの上で何度目かの寝返りをうった。

 そんな彼女の顔を月明かりが優しく照らしている。

 この部屋にはまだカーテンが取り付けられていなかったから。


 ユメは色々なことが突然に起こりすぎた昼間を思い出していた。


 ここに少しの間お世話になることになったユメ。

 トランクスにカプセルコーポレーションの中を案内され、そのあと三人で楽しく会話しながら夕食をとった。

 どちらかというとブルマがひとりで喋っているという感じではあったが。

 ユメがすごく困った質問もあった。ユメがどこに住んでいるかを訊かれたのだ。

 適当に、西の都のはずれの方だと誤魔化してはみたが、信じてもらえたか微妙なところであった。

 そしてシャワーを浴びて、ブルマが貸してくれたパジャマを着てこのベッドに入った。


 それから二時間ほど過ぎたが、全く眠くならない。


 はぁ、と短く息を吐くユメ。

 そして静かに光る月を見上げた。

 それはユメの知っている月とあまりにも変わらない。


 ――ってゆーか、眠れるわけがない!


 心の中で叫んで、ユメは結局起き上がってしまった。

 そして視線を白い壁に向ける。


 ユメが眠れない理由。


 不安も確かにある。だがそれ以上に、この高揚した気分のせいだ。


 この壁の向こうにはトランクスが眠っている。

 憧れの人が、壁一枚挟んですぐそこにいるのだ。

 こんな状況でスヤスヤと熟睡できるほどユメは子供じゃなかった。


 そしてもう一度、ユメは深くため息をついた。


 ブルマとトランクスはユメを快く受け入れてくれた。

 でもずっとこの場所に居られるわけではない。

 長く居られたとして、一週間だろう。


 そのあとは、どうすればいい?

 どこにいけばいい……?


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