第1章 一日目
「……わかったわ」
ブルマが溜息交じりに言った。
「ほ、本当ですか!?」
「そのかわり、お母さんにはちゃんと連絡すること。これは同じ母親の立場から言うんだけどね、娘だったら尚更心配するわ」
言われて、瞬間戸惑う。連絡など出来るわけがない。
あとで電話をするフリをするしかないだろう。
「……わかりました」
「それじゃっ! 少しの間、家族が増えるわけね! ユメの部屋、どうしようかしらっ♪」
急にブルマがはしゃぎ出して、その場が一気に和んだ。
「あ、ありがとうございます! お世話になります!!」
トランクスにも頭を下げるユメ。
すると、トランクスはフっと笑って小声で言った。
「母さん、うれしいんだよ。昔から『娘も欲しかった』って言ってたから」
「トランクス!」
「え? はい」
呼ばれてブルマの方を向くトランクス。
「あんたの隣の部屋、まだ空いてるわよね」
「あ、はい。まだ空っぽですけど……」
ブルマは頷いて、ユメを見た。
「じゃぁ、そこがユメの部屋ね!」
「え!?」
トランクスの隣!?
びっくりするユメ。
うっ、嬉しいけど……。
「だーい丈夫よ! ちゃんとオートロックになってるから。心配しないで!」
カラカラと笑うブルマ。
「何がですかっ!」
すかさず突っ込むトランクス。
その顔は、また赤くなっていた。