第4章 君は大事な…
唯は大きく目を見開く。
「ジ、ジーーーン!!」
キールの絶叫が聞こえる。
唇が離れて、ジンが言う。
「やっぱり、熱上っちゃったな」
……限界だった。
唯はふしゅる~と何かが抜け出たような気がして、ぐったりとベッドに身体を預けた。
「あれ? 唯?」
「唯ちゃん!?」
二人の驚く声がする。
薄れて行く意識。
唯はふわふわと身体が浮くような、そんないい気分で、もう一度眠りについた。
次に目が覚めたとき、ジンとキールにまず何て言おうか。
そんなことを考えながら……。
――そして、これからも王ドロボウとの旅は続いていく。
END.