第5章 成瀬 ルーム
~ 松本side ~
成瀬さんの怒鳴り声に 、思わず肩を震わせた 。
目の前に広がるのは ... 写真 ... ?
恐る恐る 成瀬さんの方を振り向いた 。
「 成瀬 ... さん ... 」
成瀬さんは 、悲しさとも 怒りともとれない表情を浮かべて 俺を見つめていた 。
成「 ... すみません ... 」
何で ... 謝るんですか ... ?
「 ... あれは ... 何ですか ... 」
聞いてはいけないとわかっていながらも 、聞いてしまっていた 。
成「 とりあえず ... 、座って下さい ... 」
成瀬さんに促されるまま 、ソファに座る 。
成瀬さんは 、意を決したように口を開いた 。
成「 実は ... 」
復讐のこと 、あの部屋のこと ...
たぶん全てを話してくれたのだろう ...
でも俺には受け止めきれないよ ...
どうしたらいいの ... ?
気付けば 、涙が溢れ 、視界が歪んで見えた 。
成「 私には ... 、関わらない方がいいんです ... 」
そんな ...
でも俺は 、本当の成瀬さんを知りたかったのかもしれない ...
目の奥の 闇を ...
いつの間にか立ち上がり 、成瀬さんを抱き締めていた 。
成「 松本 さん ... ? 」
「 俺が ... 、貴方の味方になります ... 」
貴方の過去も 、過ちも ... 、全て受け止める ...
だから俺にだけは 、本当の貴方を見せて欲しい ...
成「 だめです ... 、巻き込む訳にはいかないんです ... 」
俺の服を掴む成瀬さんの腕に 、だんだんと力が入る 。
「 吐き出さないと ... 、爆発しちゃいます ... 」
少し身体を離し 、見つめながら言った 。
どちらともなく 重なった唇 ...
成「 空っぽにして ... 、貴方で満たしてください ... 」
そんなの ... 当たり前です ...
心も身体も 満たしてあげます ...