第5章 成瀬 ルーム
~ 成瀬side ~
悩み ... ?
弁護士という立場上 、断る訳にもいかない ...
「 どんなお悩みですか ? 」
そう尋ねると 、松本さんは俯いて黙ってしまった 。
深刻な悩みなんだろうか ...
松「 ... ここじゃちょっと ... 」
「 え ... ? 」
そんなに悩んでるなら 、連絡してくれればよかったのに ...
松「 お家 ... 行ってもいいですか ... ? 」
予想外の言葉に驚いたが 、そんなに深刻なら仕方ない ...
「 ええ ... 、構いませんが ... 」
そう言うと 、安堵の表情を浮かべた松本さん 。
2人でカフェを出て 、家に向かった 。
松「 お邪魔します ... 」
ひとまずソファに座らせ 、コーヒーを入れた 。
「 ... それで 、悩みって ... ? 」
しばらく黙った後 、静かに口を開いた 。
松「 ... すみません ... 、本当は ... 悩みなんて無いんです ... 」
「 え ... ? 」
松「 ただ っ ... 、貴方と居たくて ... 」
それって ...
松「 俺 っ 、成瀬さんが好きなんです ... っ 」
同じ ... 気持ち ... ?
「 それは ... 、僕もです ... 。僕も貴方が好きです ... 」
気付けば言葉に出して 伝えてしまっていた 。
松「 よ 、よかった ... 、軽蔑されると 思ってました ... 」
でも僕は ...
復讐鬼なんだ ...
伝えた方がいいのか 、黙っていた方がいいのか ...
どっちが松本さんの為なのか ...
嬉しい気持ちの反面 、葛藤が生まれた 。
松「 はぁ ... 、お手洗い借りていいですか ? 緊張が解けちゃって ... 」
「 ええ 、どうぞ ... 」
だが 、松本さんが向かったのは トイレではなく 、あの部屋 ...
入るな っ ...
「 開けるな っ!」
そう叫んだ時には 既に遅かった 。
松「 これ ... っ 」
あぁ ... 終わりだ ...
今までの計画も 、これからの僕も ...