第5章 成瀬 ルーム
~ 松本side ~
図書館で肩がぶつかったこの人 ...
どこかで見た事あるような ...
そんなことを考えながらも 、普通に謝ってその時はおしまい 。
用事も済んで 、帰ろうと出口へ向かうと 、外を眺めて立ち尽くすさっきの人 ...
雨降ってるのか ...
「 あの っ ... 、傘 、入ります ? 」
思わず声を掛けてしまった 。
成「 え ? 」
突然声を掛けてしまったからか 、僅かに肩を震わせて振り返ったその人 ...
他の人では味わったことのない感情が押し寄せた 。
まるで ... 、一目惚れ ...
さっきのお詫びとか 、適当な理由をつけて家まで送ることになった 。
「 お仕事って 何されてるんですか ? 」
成「 あぁ 、弁護士を ... 」
思い出した ...!成瀬先生だ!
その後 、他愛もない話をしていると 、先生の家に着いてしまった 。
何かあったら 、と 名刺を貰ってそのまま別れ 、家に帰った 。
ベッドに寝転び 、貰った名刺を眺める 。
成瀬 ... 領 ...
どこか不思議な雰囲気で ... 惹かれる ...
「 はぁ ... 」
勝手に漏れる溜息 ...
その中の感情には 、また会いたい という気持ちが含まれていた 。
数日後 、またあの図書館に行く用事が出来た 。
先生に会えるんじゃないか という期待もあり 、この前とほぼ同じ時間に行ってみた 。
... いた
「 あの っ 、この前は どうも ... 」
ゆっくりと振り返ったその人 ...
成「 松本さん ... 、どうも ... 」
俺の顔を見て微笑む瞳 ...
でもその奥には 、触れちゃいけないものがある気がして ...
「 お茶でも 、どうですか ... ? 」
だけど やっぱり知りたくて ...
誘ってしまっていた 。
成「 あぁ ... 、是非 ... 」
近くのカフェに2人で入った 。
「 俺 ... 、えっと ... 」
成「 どうかしましたか ... ? 」
誘ったけど目的ないんだよな ...
「 ちょっと悩みがあって ... 」
あぁ ... 、嘘付いちゃった ...