第5章 成瀬 ルーム
~ 成瀬side ~
今まで僕は 、復讐の為だけに生きてきた 。
でも 、貴方に出逢って変わった ...
いつものように弁護の資料を集めるため 、図書館へ来ていた 。
夢中になりすぎて 、人と肩がぶつかってしまった 。
「 あ 、すみません ... 」
ふとその人の顔を見た 。
... 凄く綺麗な人だ ...
松「 こちらこそすみません ... 」
その一瞬で 完全に心を奪われた 。
その後もあの人が気になって集中出来なかったが 、何とか資料を集め終わり 、家に帰ろうと出口へ向かった 。
凄い雨だ ...
激しい雨が降っていた 。
これは 、止みそうにないな ...
濡れる事を覚悟して 外に出ようとした時 、後ろから声が聞こえた 。
松「 あの っ ... 、傘 、入ります ? 」
「 え ? 」
松「 さっきのお詫び ... と言いますか ... 」
「 あ ... 、じゃあ ... 」
そうして 、2人で傘に入り 、歩き始めた 。
松「 お家って この辺なんですか ? 」
「 えぇ 、そうです 」
松「 じゃあ 、送っていきますよ 」
さっきから 鼓動がうるさいくらいに鳴っている 。
俺は ... この人が ...
松「 お仕事って 何されてるんですか ? 」
「 あぁ 、弁護士を ... 」
松「 そうなんですか!あ 、そういえば 前テレビで見たような ... 、確か ... 成瀬先生だ!」
「 あ 、そうです ... 。貴方は ? 」
松「 松本って言います 。普通のサラリーマンですよ ... 」
そんな話をしていると あっという間に家まで着いてしまった 。
「 何か困ったら 、連絡して下さい 」
また会いたい 。そう思い 、名刺を渡した 。
松「 ありがとうございます!では 、また ... 」
そうして 、松本さんは 雨の中へ消えていった 。
... 何だよ 、今の気持ちは ...
今まで感じたことのない感情だった ...
まるで恋心 ...
しばらくは 松本さんの事が 頭から離れずにいた 。